12月23日(日)に立教大学で行われた「第3回関東・甲信越静地区スーパーグローバルハイスクール課題研究発表会」に参加した高校2年F組の稲垣さんが、英語プレゼンテーション部門で最高賞となる金賞を受賞しました。これにより、2019年夏に行われる予定の「Global Link Singapore」への推薦出場資格を獲得しました。
本校はこの大会に昨年度から参加していますが、今回はスーパーグローバルクラスと留学コースの生徒たち9組17名が参加しました。5組が英語によるポスター発表、また、日本語と英語2組ずつがスライド発表を行い、この一年間の研究成果を多くの方々に聞いていただきました。
英語プレゼンテーション部門で金賞を受賞した稲垣さんの発表テーマは、「ニュージーランドと日本における男女平等―女性から見た現状―」でした。1年間の留学生活をおくったニュージーランドは、世界で最初に国家レベルでの女性参政権が認められた国として有名です。現在の首相も女性のジャシンダ・アーダーン氏ですが、昨年首相でありながら産休をとったことで世界を驚かせました。毎年世界経済フォーラムが発表する「ジェンダーギャップ指数」(男女の平等度合いを国ごとにランク付けたもの。上位になるほど完全平等に近い)によると、2017年において調査対象国144ヶ国中ニュージーランドは総合9位という上位に位置しています。一方で日本は114位と低い結果でした。これらのことから、ニュージーランドと日本との間にはどのような意識の違いがあるのか、どうすれば男女平等社会を日本でも築くことができるのか、ということに関心を持ったようです。
ニュージーランドに住む女性と日本に住む女性とを対象にアンケートを行った結果、男女が平等であると感じるかどうかという質問に対しては、どちらの国もほとんど同じ結果だったようです。しかしながら、稲垣さんは不平等を感じているその原因に大きな違いがあることに気づきました。日本の女性の多くは、家事・育児の役割分担が不平等だという点で不満を持っていたのに対して、ニュージーランドの女性は、職業において責任ある立場や仕事が与えられないことについて不満を持っていることがわかりました。
調査を通して、日本から見ると男女平等が実現しているように見えるニュージーランドでも依然として不平等を感じる女性が多いこと、単純なアンケートでは同じ結果に見えるものでも質的には異なっていたということなど、多くの発見があったようです。今後は男性側にも焦点を当てて、研究を発展させたいと話してくれました。
課題研究には終わりが無く、新たな発見が次の疑問を生みます。受賞した稲垣さんはもちろん、今回の大会に参加したみなさんがさらに発展した研究に挑戦してくれることを期待します。
(文責:崎山)