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SG7期生、ミャンマー問題を当事者と共に考える

軍によるクーデターから2年。ミャンマー情勢に関する報道がすっかり減っています。SGクラス7期生(高2)は、民主主義が危機に瀕するミャンマーについて当事者と共に考える特別授業に参加しました。

1月13日(金)、昨年に引き続き、在日ビルマ人ウィンチョさんとマティダさんご夫妻をお招きし、支援活動に従事する日本ミャンマーMIRAI創造会や学生NGO Swallow Nestの有志による企画運営のもと、活発な問答と議論を行いました。議論の途中には、現地の小学校の先生にビデオ通話をかけて頂き、当事者が置かれた苦境を聞く機会を得ることもできました。

1月30日(月)、同じくミャンマー問題を学んでいる学習院高等科とオンライン交流授業を行いました。民主化支援に献身的に携わる大人や学生からの励ましやアドバイスを受けた後、生徒達はグループに分かれて議論しました。個人の意見を2分以内にまとめて語った後、約30分間グループで自由に議論してもらいました。一見絶望的に見えるミャンマーの現状に対して、高校生たちは誰一人あきらめの言葉を口にせず、様々な角度から真剣に議論していました。他の高校の生徒とも問題意識を共有して課題を語り合う姿に、教員たちも心動かされました。

以下、生徒達の声です。

  • 恥ずかしながら、もしこの授業がなければミャンマー問題について深く考える時間を自分自身で作れていなかったと思います。しかしこの授業を受けた今、ミャンマーについてもっと意識しながら生活していきたいと思っています。そして何よりも、実際に在日ミャンマー人の方や現地の方のお話を聞く機会があったからこそ、ニュースだけをみて満足してはいけないと気づけました。実際に経験した人、伝える活動をしている人だからこそ伝えられる真実をこれからも見つけていけるように、異文化交流を続けて行きたいです。たくさんの気づきを得られる時間を作っていただき本当に感謝しています。(深海さん)
  • 同じグループになって議論した学習院のS君の意見がとても印象に残りました。彼はロヒンギャに関するドキュメンタリー映画を見るなど、この問題について詳しく考えていました。私は元々ロヒンギャ問題についてあまり詳しくなく、彼の話を聞いて初めて考えることもたくさんありました。私はその話の中で、難民に対する日本の政策、日本人のそのような人たちに対するステレオタイプなどが非常に多いことについて議論しました。グループ内でとても盛り上がり、良い議論の時間になったと感じました。(太田さん)
  • 私は、今回のワークショップをする以前はミャンマー関連の情報を受け身で得ていたので、「ミャンマー問題」というものがあり、アウンサンスーチー氏が拘束されていて大変らしい、という知識しかありませんでした。しかし、今回の貴重な機会を通して、ミャンマー問題について深く知ることができました。植民地支配されていたことなどの背景的知識を身につけてから、ミャンマーのデモを詳しく知ると、ミャンマー問題がとても複雑で解決に至るまでに対処しなければならない課題が多々あると感じました。世界史を学ぶことの意義を身を持って知りました。今回1番面白かったのは、多文化・多民族国家に民主主義的社会を構築することの難しさと、権威主義的国家の特徴・共通点、そして実際にはミャンマーは軍事政権から脱出し、民主化しているのかについて、学習院の皆さんとグループで議論したことです。大変興味深いワークショップで、有意義な時間を過ごすことができました。(山下さん)

ミャンマーには「若者は国の宝」という言葉があるそうです。世界の人々が直面する困難に心を寄せた生徒達。きっと平和な社会を築く宝となることでしょう。