みなさんこんにちは!SG9期生です。(SG=スーパーグローバルコース)
私たちは先日、世田谷区立千歳中学校に、出張授業をしてきました。
「グローバル化は必要なのか?」をテーマにしたディスカッション中心の授業です。
今回は、私たちが授業に行き着くまでの準備経過や当日の様子をまとめてみました!
【準備】
千歳中学校で50分間授業をするにあたり、全て自分たちで内容を決めなければなりませんでした!みんなでホワイトボードの前で頭を捻り、色んな案が出た中で選ばれたのが「グローバル化は必要なのか」という議題です。中学生と私たちが各班に分かれて「グローバル化は必要なのか」についてみんなで話し合う、という案でした。私たちSGコースは「スーパーグローバルクラス」です。そんな私たちが「グローバル化は必要なのか」と問いかけることは面白いんじゃないか!ということで授業の内容が決まりました。リーダー生徒4人が当日の流れなどを決め、その後も何度かSGみんなで話し合いをして内容を詰めていきました。
今まで私たちがディスカッションをする際に、定義付けはとても重要なことだったので、「グローバル」の定義とは?というのを中学生相手にも投げかけてみることにしたり、グローバル化が本当に良いことなのか?というのも議題として扱うことにしたりして授業計画が完成しました。
そして当日の役割として、司会、SGについて紹介する人、SGのことをもっと知れるクイズを行う人、などの役割を分担し、千歳中学校に行くまでにスライドを作りました。
途中で先生に助言を頂きながらも、ほぼ全て自分たちで授業内容や授業の流れを決めることができました。
時安夏妃
【5時間目】
大急ぎでお弁当を食べ終え、足早に向かうは千歳中学校。
「第〇回××大会◻︎◻︎部優勝‼︎」と、何やら凄い横断幕たちがひと足先にお出迎え。
運動部強いんだねえ、なんてあっけに取られながら校舎に入り、昼食終わりでわいわいとした廊下を進んで行きました。
待機室には、私たちの他に出張講義をする先生が数人いらっしゃり、本当にこれから授業をするのか、とみんな少し緊張した面持ちで教室に向かいます。
名札まだつけてない!
席どうするんだっけ?
ああ緊張する…
授業開始直前まで、廊下でパイプ椅子を持ちながら、みんなでてんやわんや。
チャイムが鳴り、12人で教室に入ると、なんだかとっても新鮮な気分です。
公立学校ならではの多種多様な掲示物に、教室にぎゅうっと詰められたような机と椅子、そして生徒たち。
「起立!」ざっと立ち上がった生徒たちの顔が目の前に並び、「よろしくお願いしまーす!」ととびきり元気な声を聞いて、なんだか素敵な人たちで大丈夫そうだなとホッとしました。
自己紹介が終わり、各班に分かれてディスカッション開始です。
と、ここで早速予期せぬ出来事が!
「グローバル」という言葉の意味は知らずとも、日常で聞いたことはあるだろうから…という考えから作り上げた講義の組み立てでしたが、
「グローバルってなに?」
「俺初めて聞いた」
「ゲーム大会の名前についてるしか知らない…」
これは私たちの前提をそもそも疑わなきゃいけなかったなと大反省!!
それでも、ここからどう軌道に乗せていくかが腕試しになるんじゃ?と思い、どこをどう説明しよう、なんの話をもってこよう、どこで班員に話を投げよう、とどちらかといえば楽しかったです。計画に予想外はつきものですね!
学校の様子から、スポーツに長けた生徒が多そうだなと思っていたので、班員の子がちらっと出した「ゲーム」と「スポーツ」に例を絞って彼らに少し具体的に説明。みんな頭が柔軟で、具体的な例にピンとくるとすぐに自分のイメージと直結したようです。そこから紆余曲折ありつつマサイ族などの少数民族の文化の継続とグローバル化の関わりにまで話が進んで行きました。
「当たり前に疑問を持ってみる」という経験をしてほしいという目的もあった今回の講義。
「少数民族の文化を守るために、グローバル化はほどほどにしなきゃなんじゃない?」という結論にまとまりそうになった時、少し迷ったのですが、「逆に、どうして少数民族の文化を無くならせちゃだめなんだと思う?」という質問を彼らに投げかけました。
ええー‼︎だってイヤだし…と言いながら頭を抱える班員たち。わかる、結論がまとまりそうな時に、その大前提を疑うって苦しいよね、と終始共感。
うんうん唸りながら、1番おしゃべりな班員が口を開きました。
「賢いことは言えないんだけど、やっぱり、自分の文化とか大事にしてもらえると嬉しいじゃないすか。日本好きーって言ってくれる人いると嬉しいし、だから、他の人の文化も大事にしたいなって思う。」
私、感動。なんだかとても大事な瞬間に立ち会ったような気がしました。
たくさんの議論を重ねた先で、合理的な結論があったとして、それでも“なんだかイヤだ“と思った時。私たちの“なんかイヤだ“は、現代社会の持つ合理性へのストッパーなんじゃないかと思います。その“イヤ”に向き合って、何が、どうして、イヤなのかを見つける。相手や誰かに伝える、伝わる。そうして初めて、私たちの“イヤ”という感覚はストッパーの役割を発揮するのでしょう。だからこそ、思考のプロセスはとても大事で、議論においても然りではないでしょうか。
彼にとっても、他のメンバーにとってもなんてことない発言だったかもしれません。けれど、それを大切にできている彼らの片鱗を見ることができて、もしかしたら、これは私にとって大事な瞬間だったのかもしれません。
私が事前に決めていた量より少し多めに話してしまったことが大きな反省点なのですが、明るく豊かな想像力を持った素敵な彼らと一緒にこの時間過ごすことができてとても嬉しかったです。
藤井杜羽
【6時間目】
5時間目でうまくいかなかった点、時間調整やどこまで中学生の意見に関与するのかなどの反省を生かして、いざ6時間目の授業へ…
自分ができていなかった部分を次で活かすぞと意気込みましたが、ここで問題が発生。6時間目のクラスで私が割り当てられた班は少し静かな班で、ディスカッションがすぐには盛り上がりませんでした。そこで、さっきの反省を生かし中学生の意見への関与を少なくし、私が身近な例をいくつか挙げてみました。すると、イメージしやすくなったことでディスカッションが盛り上がり、アイデア出しがしやすくなったようでした!
「グローバル化といえばどんなことが関連していると思うか」という疑問に関して、文化財や食生活、生活様式など、様々な意見が出ました。このお題は、私たちのコース名にも関連するので、SG生全員、みんな必死にメモをとり、自分たちがまだ思いついたことのないような意見をアウトプットすることができました。私たちにとってもすごく有意義なディスカッションになりました。
その後、無事に意見交換をすることができ、2時間の私たちの出張授業は終わりました。ありがとうございました、という中学生たちの言葉を聞くと、やってよかったなという気持ちになるとともに、大きな達成感が湧いてきたのをよく覚えています。
木林綾
【個人の感想】
わたしは、この千歳中学校訪問授業を通して、身近なものに結びつけてイメージを膨らませることがどれだけアイデアを産むかを学びました。「グローバル」という言葉の意味をあまり知らない中学生たちに、「グローバル化は本当に必要か?」というお題までどう持っていくかが、今回私たちSG生にとって一番の難所でした。しかし、身近な事例を導入した後、次々と出てくる中学生たちの意見を聞いていて、ずっと私が言いたかったことが伝わったような気がして、すごく嬉しかったのをよく覚えています。今回の授業は、SG生としてすごく良いアウトプットの機会になり、決して何回も経験できるものではないと思います。このような貴重な機会をくださった先生方、千歳中学校の皆様、本当にありがとうございました!
木林綾
いつかSGのみんなで話してみたいなと思っていた「グローバル化は必要か?」というトピックを、まさか近くの中学校で授業の題材にするに至るなんて全く考えてもいませんでした!試行錯誤しながら授業内容を考え、経験がない中で初めて実践するのは、少し怖くもありましたが、自分にとって新たな挑戦ばかりで楽しかったです。リード役として、どこまで彼らの糧になれたかはわかりませんが、私自身学ぶことが多い時間でした。全てを語らずに思考を促すことの大変さ、相手の興味のある範囲に話題を絡めていくことや、全く想像もしていなかった方向に話が逸れていく難しさを身を持って体験しました。本当は、この経験を活かしてまたさらに素敵な授業体験を作りたいなと思っていたのですが、これほど貴重な機会がそうそうたくさんあるわけでもありませんね。SG12名で一つの授業を作り上げるという素敵な取り組みができたこと、とても嬉しく思います!貴重な経験をさせてくださった千歳中学校の皆様、本当にありがとうございました。
藤井杜羽
この千歳中学校での授業は、先生役を務めた私たちの学びの授業でもありました。この機会を得たことで、複数の視点から考えることができるようになったり、普段関わらない人に説明する力を得たり、様々な面で成長できたと思います。また、授業するにあたって、授業内容を考えるのはとても大変なことだと理解し、学校の先生たちはこれを日常的にやっているのだと思うと、大変なことであるのに毎日毎日ありがたいなと思いました。今回授業を行った対象である中学生たちも、今回の授業を受けてなにか成長していてくれたら嬉しいです。このような機会を与えてくださった千歳中学校の皆様、先生方にとても感謝をしています。ありがとうございました!
時安夏妃