佼成女子News一覧 Kosei Gakuen Girls' News List

高2SG生 シンガポール国立大学の研修に自主参加!

高2SG生からの海外研修参加報告です!


私は2024年12月22日から30日まで9日間、シンガポールで研修プログラムに参加しました。シンガポール国立大学(NUS)に通い現地の学生と一緒に様々なディスカッションを行なったり、シンガポールの有名な観光地を観光したりしました。

私は高1の初めの頃から、卒業後はシンガポールの大学に進学したいと思っていました。そこで、シンガポールで1位の大学でこのプログラムが実施されるということを知り、大学進学の時期より一足早く憧れの地を訪れたいと思い、このプログラムに参加しました。

NUSでは、中学1年生から高校3年生までの幅広い年齢層の参加者がいる中で、年齢が近い人同士で5人ずつのグループに分かれ、NUSやNTU(シンガポール南洋理工大学)などからの現地の大学生を各班1人ずつ交えて活動を行いました。

大学の中はこのようなおしゃれな雰囲気でクリスマスツリーも飾ってありました。

活動中は、リーダーシップ・自己分析・SDGs・課題解決の4つに焦点を当てたレクチャーとグループ内でのディスカッションが中心で、最終日にはグループと個人それぞれでプレゼンテーションを行いました。

最初に、グループプレゼンの方についてご紹介していきます。グループプレゼンは、4つのSDGsの課題の中から1つ選び、課題の現状と解決策を考えるというものでした。私のグループでは5番のGender Equality(ジェンダー平等)を選び、主に男女間の賃金格差や、「男性は仕事、女性は家事」などステレオタイプに焦点を当てて発表しました。なお、男女間の不平等問題については学校でもディスカッションなどを行なったことがあったのですが、今回のプログラムではグループ内の男子の視点も聞くことができ、とても貴重な機会になりました。

次に個人プレゼンの方についてご紹介していきます。個人プレゼンのテーマは下のスライドの写真にもあるように、自分の将来の夢について話し、それを実現するにあたって自分が抱えている課題と解決策を考えるというものでした。私はシンガポールの大学に進学してビジネスを学びたいと思っていたので、それを主軸にプレゼンしました。プレゼン前のレクチャーで「SWOT分析」というものを行なったのですが、これは自分のS(strength強み)、W(weakness弱み)、O(opportunity解決する機会)、T(threat恐れ)について分析するもので、プレゼンの際に参考にすることができました。

また、初日のレクチャーではリーダーシップについて学びました。レクチャーを通して、リーダーとして必要な素質は何かを学び、その中で自分は何を持っていてそれをどう活かせるのかを考えたり、リーダーは「前から引っ張るリーダー」「メンバーの中に入って共に参加するリーダー」「後ろから支えるリーダー」の3種類に分けられるということを学んだ上で、自分はどのようなリーダーになるのに向いているか自己分析したりしました。このレクチャーでは、SGの活動の一環として高1の冬合宿で訪問したアジア学院で学んだ「サーバントリーダーシップ(下から支えるリーダー像)」と通じている部分があると感じました。

 

シンガポール滞在中、Hwa Chong Institution Boarding School という、現地の全寮制学校の寮に泊まりました。

私が泊まったのは4人部屋で、ルームメイトは一緒にこのプログラムに参加している人でした。私以外のルームメイトは全員中学生で、同い年と比べて交流で少し困難を感じたこともあったのですが、中には0歳の頃からイギリス・アメリカ・ポルトガルを転々と移動しながら生活していた帰国子女の女の子など色々な人がいてとても楽しい寮生活でした。

上の写真が寮のビルの写真です。真ん中の木をぐるっと囲むようにして部屋が並んでいるような設計がとても格好良くて好きでした。

また、寮の食堂のすぐ近くにバーベキュー場があり、初めて見た時は本当に使っている人がいるのか疑問に思ったのですが、研修の最終日に実際にバーベキューをしている現地学生を見つけ、バーベキューやり放題でいいなと思いました。

寮生活の過程で最も印象的だったのが寮内のコンビニです。コンビニに入る前に入場料として1ドルをカードで払うのですが、中に入ったあとは買いたいものを取って支払いせずにそのまま外に出るというシステムでした。これをプログラムに参加した人達同士で「万引きタイプ」と呼んでいたのですが、実際は中に設置されているカメラがその人が何を取っていったのか記録し、入場の時に使用したカードから金額が自動で引き落とされるそうです。シンガポールは労働者不足の問題を抱えているという情報を以前聞いたことがあるのですが、代わりに技術を用いてそのような問題を解消しようとしているのだと考えました。

 

研修中には、シンガポールの市内観光の時間もあり、勉強以外にも楽しいことがたくさんありました。また、観光の際には現地のツアーガイド、キイさんが案内してくださいました。今回は、観光地の写真と一緒に、キイさんがお話ししてくださった面白い豆知識などもご紹介できたら嬉しいです。

上から順に1枚目がナイトサファリ、2枚目がユニバーサルスタジオシンガポールです。

下の2枚がチャイナタウンで撮った写真です。2枚目は佛牙寺といって、仏の1本の歯を祀っているお寺だそうです。

下の2枚はアラブ人街で撮りました。アラブ人街は多種多様な壁画で有名で、その中でもこのウルトラマンの壁画はプログラムに参加した男子達の間でとても話題になっていました。

また、アラブ人街にあるモスクも見学しました。SGの活動の一環として、高1の夏合宿の際にも東京ジャーミイというモスクを訪問したのですが、今回アラブ人街でのモスクの見学で夏合宿の時を思い出しました。

シンガポールには、海上貿易に最適の地として昔世界各地から沢山の人が集まってきたのですが、その中で中国人が主に住み着いた場所がチャイナタウン、アラブ人が多く集まった場所がアラブ人街として形成されたそうです。

もちろん、シンガポールでは絶対に外せない、マーライオンも見にいきました。ライオンは王を意味し、シンガポールはテマセク(ジャバ語で「海の町」)として知られたことから、ライオンの頭と魚の身体を組み合わせたのだそうです。

シンガポールに行く前、「マーライオンは思ったより小さいから期待しないで」と色々な人から言われていたため、小さいものを想定していたのですが、それによりかえって思ったより大きく感じました。

また、マーライオンの後ろにあるビルには世界各国からの金融機関が集まっているらしく、「アジアの金融の中心」という言葉を目の前で実感することができました。

 

このように楽しいことも大変だったことも色々あったシンガポール研修ですが、プログラムに参加する中で1つ気になったことがありました。それは、シンガポールの水不足問題です。

NUSや観光以外に、マリーナ・バラージというダムを訪問しました。その時にスタッフの方から聞いたのですが、シンガポールは使用している水の約40%を隣国マレーシアから輸入しており、その協定は2061年に終了するそうです。そこで、このダムやニューウォーター(下水処理場で処理した後、飲用可能な水準まで更に浄化した水)が重要な水の供給源となるのですが、マレーシアとの協定の終了で減った40%もの水を補うことはできるのか疑問に思いました。

長くなりましたが、ここまでご覧くださりありがとうございます。今回は1週間強という短い期間の研修でしたが、大学でのレクチャーやプレゼンから観光の際に知った豆知識まで、沢山のことを学ぶことができ、とても充実した研修となりました。また、中には社会問題の解決やリーダーシップなど、SGクラスとしての活動とも通じているところが様々あり、SGでの学びが活きた瞬間に喜びを感じました。このような学びや感動を、今後の課題研究やSGの活動の際に繋げていきたいと思います。