佼成女子は、国際社会の平和に貢献できるグローバルリーダーの育成を目標に、スーパーグローバルハイスクール(SGH)活動を展開しています。今回はその活動の一環として、「国連」に関わる学びをご紹介します。
上智大学 植木教授「グローバルな課題と国連の対応」
10月19日、高3 SGクラス「高大連携授業」に上智大学総合グローバル学部の植木安弘教授をお招きし、「グローバルな課題と国連の対応」と題して出張講義をして頂きました。
植木教授は1982年に国連に入り、長年国連の広報活動に携わってこられました。この日はまず、ナミビアや東ティモールなど植木教授がフィールド活動をされた旧植民地国独立支援の事例を学びました。そして、今年9月の国連総会におけるグテーレス事務総長の演説をもとに、いま世界が直面する7つの脅威について、現下の国際情勢をもとに解説して頂きました。核兵器・テロ・気候変動など、いずれの脅威も人間が生み出したものであり、世界平和を目指す国連が立ち向かう困難の大きさと利害調整の複雑さを感じさせられました。
上智大学では、春と秋に「上智大学国連Weeks」という期間を設け、「国連の活動を通じて、世界と私たちの未来について一緒に考える」ことをコンセプトに様々なイベントを開催しています。植木教授が閉会挨拶をなさった10月28日のシンポジウム「持続可能な開発目標SDGsを学び、その課題を問う」には、SDGsに関心のある本校の高2生も聴講に駆けつけました。様々な学外の方々の刺激のおかげで、自主的に学びの場を広げる生徒達が増えているのは、大変素晴らしいことですね。
国連人事部 茶木久実子先生「国連で働く」
10月27日、高1・2 SGクラス特設科目「国際文化」に、ニューヨークの国連本部人事部で長年勤務された茶木久実子先生をお招きし、「国連で働く」と題する授業をして頂きました。
茶木先生にとって、国連で働く最大の魅力は「歴史を体験できる」ことだそうです。1994年、南アフリカ最初の総選挙で選挙監視委員を務め、遠くの村から何時間もかけて歩いて投票所に来る人々の姿を目の当たりにされ、大きな歴史的瞬間に立ち会っていることを実感されたとお話し頂きました。
国連で働くうえで必要な資質として、以下の三つを挙げて頂きました。
- Professionalism(専門家意識と技能)
- Respect for Diversity(多様性の尊重)
- Integrity(誠実さ)
特にプロフェッショナリズムは重要で、国連職員になるためには、少なくとも修士号を持ち、専門分野での二年以上の職歴があることが望ましいとのことです。この点については、植木教授も同じことをおっしゃっていました。大いに向学心を刺激されますね。
国連は女性が働きやすい職場です。男女平等の文化が根付いており、茶木先生も「女性だから不利だ」と感じたことは一度もなかったとのことです。結婚や出産のために退職するという発想もなく、良きロールモデル(具体的な行動や考え方の模範となる人)がたくさん身近にいるのが国連の長所だと教えて頂きました。将来、茶木先生のように、国連などの国際機関でグローバルに活躍する女性が佼成女子からたくさん現れてほしいですね。
(文責:国際部 秋田)