12月15日(土)、本校講堂にて、1年間のニュージーランド留学を終えて帰国を果たした特進留学コース(KGGS)14期生(高2)による帰国報告会が開催されました。帰国早々に、たくさんの観客の前で、英語で発表を行うという大きなハードルを軽やかにクリアした生徒たちを、保護者の方々も誇らしく見守られたことと思います。
ニュージーランド留学を終えた14期生たちは、留学の総仕上げとして11月17日から2週間のオーストラリア・シドニー大学の研修を受け、12月2日に帰国したばかり。この日は、3名の現地での研究成果発表の他、クラス全員が観客の前で英語による留学生活報告を行いました。あいにく、SGH全国高校生フォーラムの日程と重なり、1名がこの報告会に参加できませんでしたが、31名の生徒たちは元気よく、笑顔でプレゼンテーションを行いました。また、高1の2名が、無線機を通じてご来場の方に同時通訳を行うお手伝いをしてくれました。
この日は、保護者の方々のほか、来年の留学を控えた15期生の生徒と保護者の方々、短期中期留学を予定する高校生や中学生、また本校の留学プログラムに関心をお持ちの受験予定者の方々も多数ご来場され、生徒たちの発表に聞き入っていました。
まずは宍戸校長より、本校のSGH(スーパーグローバルハイスクール)第一次指定校としての取り組みと成果について、そしてこの今年で16年目を迎えるKGGS留学コースの報告会について。「21世紀型教育の中で求められる力のすべてが、日々の留学生活の中で養われます。彼女たちの英語力は大変伸びていますが、英語の能力は、その成長の一側面にしかすぎません。時に涙しながら、数々の困難を乗り越えて、正解のない課題に取り組むときに必要となる人間力、これを身につけた彼女たちの発表を、本日は皆様と共有したいと思います」
続いて、14期生による英語での発表およびプレゼンテーションが行われました。
第1部は、SGHテーマ「フィールドワークを通じた多民族社会における平和的発展の研究」の研究成果発表、第2部は14期生全員による留学生活等についてのプレゼンテーションです。
第1部
1.Achieving 100% Renewable Energy(渡邉さん)
2.How We Can Solve the Medical Waiting List Problem in New Zealand(高輪さん)
3.Gender Equality in New Zealand and Japan(稲垣さん)
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第2部は、留学先の学校別のチームで、留学生活を様々な角度から切り取った15のテーマでの発表でした。
1.ニュージーランドの気候・地理
2.ニュージーランドの歴史
3.マオリ文化
4.ハミルトン地域の紹介
5.タウランガ地域の紹介
6.ネイピア地域の紹介
7.KGGS留学プログラムの最初の10か月
8.KGGS現地合宿
9.ニュージーランドの留学生
10.現地校の授業
11.留学中の英語学習
12.課外活動
13.宗教教育
14.ボランティア活動・フィールドワーク
15.ホームステイ生活
明るく、時にはユーモラスな掛け合いを交えた発表を通じて、ニュージーランドでの生活を生徒たちがポジティブに楽しんだ様子が伝わってきました。現地校でのニュージーランドの先生方や生徒たちとの交流、ホームステイ先でのルールなどを通じて、言語だけでなく文化や習慣、考え方の違いなどで、たくさんの戸惑いや困難を経験し、それらを乗り越えて帰ってきた生徒たちの、自信に満ちた堂々たる姿を、この報告会で見ることができました。
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最後にこの日のゲスト、青山学院大学地球社会共生学部学部長の平澤典男先生からお話をいただきました。平澤先生は本校のこの報告会に来て下さるのが3回目ですが、まずは「今日は驚かないぞという覚悟をしてきたのですが、やっぱりすばらしいプレゼンテーションに圧倒されたと言うのが正直なところです」とお褒めの言葉を。そして、若い人が海外体験を積むということについて、大きな視点でのお話をして下さいました。
「感受性が豊かなうちに、頭脳が柔軟なうちに、体全体で外国に飛び込んで、現地の文化、社会、様々な問題を体感するということは、多くの選択肢を手に入れると言うことです。今の社会が30年前から大きく変わったように、これからの30年もあきらかに大きく変わっていくでしょう。理由の1つ目は止めることのできないグローバル化、2つ目はAIや科学技術の進歩です。この2つは社会を大きく変えていきます。若いうちに海外体験を積むということは、多くの選択肢を手に入れるということ、たくさんの引き出しにたくさんの財産を詰め込むことです。この先、社会が変わった時、引き出しがあればまた新たなことに挑戦できる。だからこそ、若いうちに見聞を広め、知識を蓄え、新しいことに挑戦するマインドを持つのです。これが、社会で生き残り、あるいは社会を担っていくことのできる力です。皆さんがこの佼成女子の留学で培われた信念を持って、世界を変えていってくれたらと思います」
先輩たちの発表を真剣に聞いていた15期生たちが、来年はこの舞台に立ちます。その日まで、1日1日を積み重ねて、そしてまた後輩たちにバトンをつないでいってもらいたいと思います。そして保護者の方々には、お子さんたちの充実した1年間を改めて感じていただけたら幸いです。