11月30日（木）、ＳＧクラス８期生はタイ文学研究者の福冨渉先生をお招きして、一般的なタイのイメージを問い直す特別授業を受講しました。
福冨先生はタイ文学研究の第一人者で、様々な大学で教鞭をとりながら、多くのタイ文学作品の翻訳をされてきました。ＳＧ８期生の中にタイＢＬが好きで研究している生徒がいることから、この分野で積極的に発信している研究者のお話を聞きたいと思って直接ご連絡したところ、出張講義を快諾して下さいました。本当に感謝の念に堪えません。
この日の授業では、タイの画一的なイメージを問い直すため、①地方と料理、②民族、③性、④政治と王室の四つの切り口から講義をして頂きました。講義の合間には、『Hunger: 飽くなき食への道』(2023)、『I’m Not Your F***ing Stereotype』(2019)、『DOI BOY』(2023) など最近の動画作品の予告編を見て、そこに表象された「タイ」について考えました。
7月にタイを訪れたSG生たちにとって、「LGBTに寛容」「BLドラマが人気」「若者の政治参加意欲が高い」など、タイのステレオタイプを問い直す講義は大変刺激的で、質疑応答の時間には次々と質問があがりました。音楽と政治の関わりについて尋ねた生徒に対して、すかさずRap Against Dictatorshipという音楽グループのPVを検索して見せてくださるなど、福冨先生の臨機応変な対応に生徒だけでなく教員も大いに学ばせて頂きました。
この冬休み、生徒達は時間をかけて論文を作成します。今回の講義で得られた「当たり前を疑う」視点が、論文作成にも大いに生きることでしょう。
