佼成女子News一覧 Kosei Gakuen Girls' News List

SG8期生、ビルマについて当事者と共に考える

ビルマ(ミャンマー)で軍のクーデターが発生したのは2021年2月。それ以降、SGクラスではビルマの民主化について考える特別授業を毎年開催しています。

11月17日(木)、SGクラス8期生(高2)は、在日ビルマ人のウィンチョさんとマティダさんご夫妻、日本ミャンマーMIRAI創造会の石川さんをお招きし、NGO Swallow Nestの学生有志による企画運営のもと、ビルマについて共に学び、考え、対話しました。

◆生徒のプレゼン

まずSG生が5つのグループに分かれ、事前学習の成果をプレゼンしました。

    1. ミャンマーとSGクラス
    2. ミャンマー現代史
    3. ミャンマー軍事クーデター
    4. ミャンマーとタイ
    5. ミャンマーと日本

◆ウィンチョさん、マティダさん、石川さんの講演

プレゼンに対するフィードバックを頂いた後、皆さんから現在のビルマ情勢について教わりました。1988年のクーデター以降、民主化のために戦い続けているウィンチョさんとマティダさん。国内外で精力的に支援を続ける石川さん。皆さん、一言一言かみしめるように、心をこめて生徒達に語ってくださいました。

◆現地の学校とライブ中継

ウィンチョさんがビルマの学校に連絡をとってくださり、現地の生徒たちとビデオ通話でお話しました。お互い笑顔で手を振り、時には楽しくはしゃぎながら会話しました。しかし笑顔の陰には、大切な人を失い、十分な教材や日用品を確保できず、空爆の恐怖にさいなまれる、筆舌に尽くしがたい日常があります。そんな厳しい状況でも学びを止めない生徒達と先生方の姿に、深く心動かされました。

◆ウィンチョさん、マティダさん、石川さんとの対話

最後に3つのグループに分かれて、自由な対話の時間を設けました。生徒達は様々な質問をし、皆さん熱心に応えてくださいました。皆さんが生徒達に語ったメッセージの一部をご紹介します。

 マティダさん

「今週は特に空爆が激化し、子ども達や若い女性が逃げ回っています。現地で亡くなった人もいるなか、今日みなさんに会ってビルマについて一緒に考えながら交流できることは、嬉しさと寂しさが入り交じる心境です。」

 石川さん

「私たちに一体何ができるかと考えた時に、自分が微力だと感じる時もあります。しかし、微力と無力は異なります。当事者でない人が動くと社会は変わる。当事者を孤立させないことが大切です。」

 ウィンチョさん

「どこの国も若者は正直。駄目なことは駄目、正しいことは正しいと考える。日本の若者も、何かあったら諦めずに行動を起こすと信じています。同じアジアの国として、共に頑張っていきましょう。」

SG生の一人は、「メディアが自由にミャンマーに入って取材できないなか、私たちが触れられる情報は限られています。今日みたいに直接お話をうかがう機会を得たことが、どれほど貴重で大切なことか実感しました」と感想を述べました。翌日、英語の授業でSG生たちは早速、ウィンチョさんたちが母国を「ミャンマー」ではなく「ビルマ」と呼んでいたことについて振り返っていました。大切な着眼ですね。

年明けには他校の生徒たちも交えて議論します。SG生たちもビルマの生徒たちも、学びを止めることなく、民主的な社会を支える大人になることを願っています。