佼成女子News一覧 Kosei Gakuen Girls' News List

SG6期生 ミャンマー民主化を考える特別授業

12月3日(金)、SGクラス6期生(高2)特設授業「国際文化」にて、ミャンマー民主化支援を進める在日ビルマ人の方々と学生NGOの皆さんによる出張講義が開催されました。

この日の授業テーマは「在日ミャンマー人の視点からミャンマーの今を知る」です。NHKの撮影取材が入る中、東京外国語大学の学生を中心としたNGO Swallow Nestの皆さんの進行により、下記の3部構成で授業が行われました。

1.ミャンマーについての導入

NGO⽇本ミャンマーMIRAI 創造会の日本側代表で東京外国語大学の石川さんが、ミャンマーに関する基本情報を講義してくださいました。生徒達は、事前学習により基本的なことは知っているつもりでしたが、石川さんが入念に準備されたスライドをもとにユーモアを交えて語るのを聞き、ミャンマーの現代史について理解を広げることができました。

2.在日ビルマ人夫妻による講演

本日の授業の特別ゲストとして、在日ビルマ人のウィンチョさん・マティダさんご夫妻に講演して頂きました。ウィンチョさんは、1988年の民主化運動の際に政府の迫害を逃れて日本に亡命し、以後33年もの間、在日ビルマ人のリーダーの一人として、ミャンマーの民主化と在日ビルマ人の支援を続けてきました。ご夫妻は現地の人々、特に若者が置かれた苦境を訴え、日本政府および日本人に対してミャンマーの民主化を支援してほしいと力を込めて訴えました。

3.生徒との交流セッション

授業後半は、4-5名のグループに分かれて、ウィンチョさん、マティダさん、石川さんとフリートークを行いました。昨週に事前課題に取り組んだりNHKスペシャルを視聴したりすることで、問題意識を持ってこの日に臨んだ生徒達。またとない機会を生かすべく、様々な質問をしながら対話を重ねました。ウィンチョさんは、ミャンマーにいる少女たちとその場でビデオ通話をつなげ、民主化闘争の中で傷ついた人々のケアをする現場の声を聞かせてくれました。

以下、SG生たちの声です。

「いま日本に住んでいて戦争などがない平和な中で暮らしている私でも、自分のことで精一杯になってしまって他人のことを考えられなくなる時が多くあります。しかし、日本で活動しているミャンマー人の方々はいつでも母国のことを気にかけ、他人のために行動できているのが本当に素晴らしいと思いました。皆さんの頑張っている姿を見て、私もなにか力になれることはないかと今回の授業で強く感じました。日本人の高校生ができることは少ないかもしれないけれど、ミャンマーのために少しでも協力したいです。」

「私は以前、地元でミャンマーの方が募金活動をされているのに遭遇し、母と少しながら寄付をさせていただきました。その時は特に何も考えずに行っていたのですが、今回のお話を聞いてSNSで発信したり、家族や友人などにもっと広めるべきだと痛感しました。また選挙の大切さも実感しました。日本では若者の人口が少なく意見が反映されないと投票にすら行かないという若者が多く問題になっています。私も正直少数の意見は反映されにくいと感じていたのですが、意見を伝えるにはまず投票しないと始まらないと実感しました。今回学んだことを今後の生活に活かしていけたらと思います。」

「私の知り合いにもウィンチョさんと同年代くらいのミャンマー人の方がいます。その方とミャンマーについての話をすることはほとんどないです。お互いにあまり話さないような雰囲気があるのかもしれません。しかし、今回の講義を通して、自分のミャンマーに対する知識不足を実感しました。起きている問題を正しく理解することが、問題解決への第一歩だと思うので、機会があればそのような話もしてみたいと思いました。ミャンマーから離れた日本から行動を起こすということはとても大変だと思います。ミャンマー人の方の祖国に対する強い思いはとても素晴らしいと思います。デモなどの活動をずっと続けていく中で辛いことも多くあると思います。私もSNSでの情報発信や募金など自分のできる範囲で微力ながらお手伝いさせていただきたいです。少しでも早く同世代のミャンマーの方が自由な教育を受けることができることを願っています。」

SGクラスではコロナ禍によって海外研修の中止が昨年来続いていますが、この日は一生の思い出に残る国際理解の学びができました。今後ともSG生達には、学びを止めることなく、国内外の問題について、問い続け、考え続け、行動し続けてほしいと思います。そして、苦難や悲嘆を抱えながら故郷のために戦い続けている在日ビルマ人の方々が、日本の若者と対話するなかで少しでも何か希望の種を見いだしてくれればと願っています。